人間の体は全体が連動しており、ある部位を治療するときには他の部位も同時にケアすると効果的だと東洋医学では考えられている。
漢方では「五行」(木・火・土・金・水) という概念で人体の各器官
お札はたくさんの人の手に触れ、折ったり、ぎゅっと握ったりしても、なかなか破れない。
ほかの紙と比べて、どうしてそんなに強いのだろう?
日本のお札は特に強いと言われているが、それは紙幣の素材として使われているミツマタという木の繊維が丈夫だからだ。
ミツマタはジンチョウゲ科の落葉低木で、枝が三つに分かれることからその名がついた。
原産地は中国の中南部からヒマラヤ山脈までで、日本には室町時代に伝わったとされる。
春になると黄色い花を咲かせ、甘い香りを放つ。
生け花や庭木としても親しまれているし、家の周りや垣根に植えられていることもある。
このミツマタを折ってみると、なかなか折れないことがわかる。
繊維が非常に強靭だからだ。
この繊維を和紙の原料として利用するようになった。
収穫した幹や枝を蒸し上げて皮を剥き、水洗いを何度も繰り返して繊維を得る。
作られた和紙は強くてしなやかで、肌触りも滑らかだ。お札には特有の匂いがあるが、それはミツマタの匂いなのだ。
他にも和紙の素材としてコウゾやガンピがあるが、最初はこれらの代わりとしてミツマタが使われていたらしい。
しかし、栽培しやすいことから、江戸時代の天明年間(一七八一~八九)に静岡県東部でミツマタ紙が作られ始めた。
紙幣に採用されたのは一八八二(明治一五)年ごろからで、その後は栽培面積も急増した。
紙幣以外にも証券紙や鳥の子紙などの高級用紙としても重宝されている。
さらに、ミツマタには虫を寄せ付けない成分も含まれている。
長持ちして虫食いになりにくいとすれば、お札にふさわしい素材だと言えるだろう。