高温多湿の日本の夏は、毎日大汗をかいて 暮らすことになる。建物内部はエアコンで快 適さが保たれているが、いったん外に出ると、「滝のような汗」という表現があてはまる。
この汗が、衣類が
「ドップラー効果」という波動現象が原因である。
救急車のサイレンやすれ違う電車の警笛、前方の踏切の音など、音源が近づくと、音源と私たちの耳の間に音の波が密集する。
このとき波長が短くなり、周波数が高くなる。
音の高さは周波数によって決まるので、周波数が高ければ高いほど、音は高く聞こえる。
反対に、音源が遠ざかると、音源と私たちの間に空間ができて、波長が長くなり、周波数が低くなる。
このとき、「音が低くなった」と感じるのである。
このように、音源と観測者の相対的な運動によって、観測者が聞く音の高さ(周波数)が変わる現象を、「ドップラー効果」と呼ぶ。
この名前はオーストリアの物理学者に由来する。
このドップラー効果を実証したオランダの物理学者もいた。
彼は、平地を走る貨物列車の上でトランペットを吹いてもらい、絶対音感を持つ人たちにその音を聴かせて列車の速度とトランペットの音の変化を正確に測ったという。
一八四二年、J・C・ドップラーは、二重星の光のスペクトルが変化することを論じた。
これは星の動きと色の変化(これは振動数の変化による)を発見したことを意味する。
光は速度が非常に速いため、通常はドップラー効果の影響はごくわずかだが、音だけでなくすべての波動現象に共通する効果である。
マイクロ波のドップラー効果は、航空機や自動車の速度を測定する際に応用されている。