高温多湿の日本の夏は、毎日大汗をかいて 暮らすことになる。建物内部はエアコンで快 適さが保たれているが、いったん外に出ると、「滝のような汗」という表現があてはまる。
この汗が、衣類が
人によっては毎日スッキリと排便できると自慢する人もいれば、便秘に悩んでいる人もいる。
しかし、私たちが日々摂取する食べ物が、どのくらいの時間をかけて、肛門から出てくるのか知っているだろうか。
消化器の働きについて、正しい知識を身につけておくことが大切である。食べ物は、おおよそ二~三時間程度胃に滞在し、消化液や蠕動運動の作用で細かくされ、混ぜられて、十二指腸から小腸へと送られていく。
小腸に入った消化物は、さらに消化されながら、栄養分を吸収して進んでいく。小腸という六~七メートルもの長さを持つ管状の器官を通過するのに要する時間は約六時間である。
大腸には、小腸でほぼすべての栄養分が吸収された残り物が届く。大腸は、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸の部分から構成され、それらを経て直腸、肛門へと至る。この約一五メートルの結腸の部分を通過するのにかかる時間は、五~六時間である。
このようにして口から入った食べ物は、合計十数時間をかけてS状結腸に到達する。その後、不要物は大腸の動きによって直腸へと押し出される。
直腸に入ると、その刺激が感覚神経を介して脊髄の排便中枢に伝わり、やがて肛門の筋肉が反射的に弛緩して排便となる。
しかし、トイレに行けない場合などでは排便を我慢しなければならないこともある。排便は大脳皮質にある中枢で制御できるので、排泄までに要する時間は個人差がある。
また、消化管内を通過する時間は平均的な時間であり、食べ物の種類や体調によって変わることもある。例えば、牛乳は胃に一時間しか留まらないが、脂肪分の多い食事は五時間以上も留まることがあるという。