ブラックホールはどうやって観測するの?

 

ブラックホールは、光も逃げられないほどの強力な重力を持つ天体である。

 

ブラックホールは、重い星が寿命を終えて超新星爆発を起こした後に残る中心部が、自らの重力で崩壊してできると考えられている。

 

このとき、星の中心核が太陽の10倍以上の質量を持っていると、重力があまりにも強くなって、空間そのものが引き裂かれる。

 

ブラックホールは、見えない天体である。

 

なぜなら、ブラックホールの周りには、光速で落下する空間が存在するからだ。

 

この空間は、ブラックホールの重力によって歪められたもので、ブラックホールの境界線となっている。

 

この境界線を「事象の地平面」と呼ぶ。

 

事象の地平面の内側に入った物質や光は、二度と外に出ることができない。

 

事象の地平面の外側からは、ブラックホールの内部は一切観測できない。

 

しかし、ブラックホールの存在は間接的に確かめることができる。

 

ブラックホールに物質が落ち込むとき、その物質は高温になってX線を発する。

 

このX線を捉えて、その特徴を調べることで、ブラックホールの大きさや回転速度などを推定することができるのだ。

 

ブラックホールは、巨大な星の死骸であり、宇宙空間に生じた深い穴とも言える。