高温多湿の日本の夏は、毎日大汗をかいて 暮らすことになる。建物内部はエアコンで快 適さが保たれているが、いったん外に出ると、「滝のような汗」という表現があてはまる。
この汗が、衣類が
私たちは、他人の声に対しては、「うん、美しい声だね」とか「ハスキーな感じがいいね」とか「艶やかな声だね」なんて評価するくらいだけど、自分の声に対しては、あまり気にしない。
でも、録音した自分の声を聞かされるとき、「これが私の声?」「なんか違うよ。このレコーダー調子悪いんじゃない?」なんて思ってしまう。
まるで他人のような声なのだ。 これはなぜなのだろう。
人の声は、喉の声帯という細い筋肉の膜が震えて、それが空気を伝って、聞く人の耳に届く。
その人の外耳によって耳の穴に集められた震えは、鼓膜を震えさせて、内耳に届く。
内耳では巻き貝という器官を通って電気信号に変わって、大脳の聴覚神経に届いて、やっと声として認識する。
では、自分で出す声を、自分自身でどうやってキャッチしているのだろう。
声が自分 自身の大脳に届くには、二つの道がある。
一つ は、自分の声による空気の震えが、他人の声を聞くのと同じように自分の耳に届き、 鼓膜を震えさせて、内耳から電気信号が大脳の聴覚中枢に届く道。 これを空気伝導という。
もう一つは、自分の声帯の震えが周りの組織に伝わって、さらに頭骨から内耳を通って、大脳に届く道。 これを骨伝導という。
この二つの伝導で伝わる声を混ぜて、私たちは自分の声だと感じているのである。
しかし録音した声を自分で聞くとき、 それは、空気伝導の声だけを聞いているのである。
だから、自分の声がいつもと違って他人の声みたいに感じるのだ。